トップページ > 潰瘍性大腸炎の記事一覧 > お薬・治療

潰瘍性大腸炎の治療、薬について

潰瘍性大腸炎の治療

潰瘍性大腸炎の治療は原則的には薬による内科的治療が行われます。

しかし、重症の場合や薬物療法が効かない場合には手術が必要となります。

内科的治療、薬

現在、潰瘍性大腸炎を完治に導く内科的治療はありませんが、腸の炎症を抑える有効な薬物治療は存在します。
治療の目的は大腸粘膜の異常な炎症を抑え症状をコントロールすることです。

潰瘍性大腸炎の内科的治療には主に以下のものがあります。

5-アミノサリチル酸薬(5-ASA)製薬

5-ASA製薬には従来からのサラゾスルファピリジン(サラゾピリン)と、その副作用を軽減するために開発された改良新薬の(ペンタサやアサコール)があります。

経口や直腸から投与され、持続する炎症を抑えます。炎症を抑えることで、下痢、下血、腹痛などの症状は著しく減少します。

5-ASA製薬は軽症から中等症の潰瘍性大腸炎に有効で、再燃予防にも効果があります。

● サラゾスルファピリジン(サラゾピリン)

製品 サラゾピリン
作用 サラゾスルファピリジン(SASP)は、約1/3が小腸で吸収され、大腸で腸内細菌によってSPと5-ASAに分解されて腸管粘膜に作用する。
副作用 食欲不振、吐き気、嘔吐、口内炎、胃痛、下痢、発疹、かゆみ、光線過敏症、頭痛、めまい、尿路結石
注意点 血液障害・肝障害・腎障害・気管支喘息などを持つ患者や、乳児・幼児、妊婦・授乳婦への投与は注意が必要。

 

● メサラジン(ペンタサ、アサコール)

製品 ペンタサ アサコール
作用 メサラジン(5-ASA)はサラゾスルファピリジン(SASP=SP+5-ASA)からSPを取り除き、有効成分5-ASAのみを取り出した治療薬。主に緩解導入療法に用いられる。以前は緩解維持療法にもよく用いられていたが最近では緩解維持目的には使用されないことが多い。
副作用 腹痛、下痢、吐き気、発疹、かゆみ
注意点 服用してはいけない場合……重い腎機能障害・肝機能障害/本剤の成分に対するアレルギーの前歴/サリチル酸エステル類・サリチル酸塩類に対するアレルギーの前歴
慎重に服用すべき場合……腎機能・肝機能の低下している人/サラゾスルファピリジンに対するアレルギー

 

副腎皮質ステロイド薬

代表的な薬剤としてプレドニゾロン(プレドニン)があります。経口や直腸からあるいは経静脈的に投与されます。
この薬剤は中等症から重症の患者さんに用いられ、強力に炎症を抑えますが、再燃を予防する効果は認められていません。

● プレドニン

製品 プレドニン
作用 合成副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)で、抗炎症作用、抗アレルギー作用、免疫抑制作用のほか、広範囲にわたる代謝作用があります。 通常、内科・小児科、外科など各科のさまざまな病気の治療に用いられます。 ただし、病気の原因そのものを治す薬ではありません。
副作用 食欲増進、不眠、吐き気、下痢、生理不順、むくみ、ムーンフェイス等です。
注意点 錠剤、散剤、シロップ剤、坐剤(ざざい)〔坐剤の使用法〕など、いろいろな剤型があり、病気や症状に応じて用いられます。服用は食後が原則ですが、1日の回数、1回の使用量は、医師が患者の症状や病状をみながら、重大な副作用をおこさないように適切な判断をくだすので、指示を正しく守ってください。

 

免疫調節薬

これらの薬剤には、アザチオプリン(イムラン)や6-メルカプトプリン(ロイケリン)、最近ではシクロスポリン(サンディミュン)やタクロリムス(プログラフ)があります。
これらの薬剤はステロイド薬の無効の患者さんや、ステロイド薬が中止できない患者さんの治療に用いられます。

● アザチオプリン(イムラン)、6-メルカプトプリン(ロイケリン)
シクロスポリン(サンディミュン)、タクロリムス(プログラフ)

製品 イムラン ロイケリン サンディミュン プログラフ
作用 免疫に関与するT細胞に作用し、炎症に関わるサイトカインの産生をおさえることにより炎症を抑え、重症筋無力症の筋力低下の症状や、関節リウマチの関節の腫れ・痛み・こわばり、ループス腎炎の尿蛋白などの腎症状、難治性の潰瘍性大腸炎の各種症状を改善します。
副作用 主な副作用として、腹痛、下痢、鼻咽頭炎、血圧上昇、振戦(手足の震え)、ほてり、感覚異常、吐き気などが報告されています。
注意点 感染しやすくなりますので、手洗いやうがいを行い、規則正しい生活を心がけてください。予防接種は医師の許可なしに受けないでください。グレープフルーツ(ジュース)は、この薬の作用を強め、腎障害などの副作用があらわれることがありますので、これらを一緒に飲食することは避けてください。

 

抗TNFα受容体拮抗薬

インフリキシマブ(レミケード)は、クローン病や関節リウマチの患者さんでも使用されている注射薬ですが、潰瘍性大腸炎でも効果が期待できる薬剤です。効果がある場合、多くの患者さんで、8週おきに投与が継続され、再燃予防効果が期待されます。

● インフリキシマブ(レミケード)

製品 レミケード
作用 外瘻を有するクローン病、中等度から重度の活動期にあるクローン病の維持療法、治療、中等症から重症の潰瘍性大腸炎の治療で使用することができます。 レミケードの特徴は速効性にもあり、投与開始6週後には非常に高い割合で強い症状改善効果(痛みや腫れを抑える効果)が確認できます。
副作用 点滴中または点滴終了後に発熱、頭痛、発疹などの症状があらわれることがあります。
注意点 その他に重要な副作用として感染症(肺炎、結核、敗血症、日和見感染など)、遅発過敏症、脱髄疾患、抗dsDNA抗体陽性化をともなうループス様症候群、肝機能障害、白血球減少、好中球減少などがあげられています。

 

血球成分除去療法

薬物療法ではありませんが、血液中から異常に活性化した白血球を取り除く治療法で、LCAP(白血球除去療法:セルソーバ)、GCAP(顆粒球除去療法:アダカラム)があります。副腎皮質ステロイド薬で効果が得られない患者さんの活動期の治療に用いられます。

外科的治療

潰瘍性大腸炎の多くは薬物治療でコントロールできますが、下記のようなケースでは手術の対象となることがあります。

  1. 大量出血がみられる場合
  2. 中毒性巨大結腸症(大腸が腫れ上がり、毒素が全身に回ってしまう)
  3. 穿孔(大腸が破れる)
  4. 癌化またはその疑い
  5. 内科的治療に反応しない重症例
  6. 副作用のためステロイドなどの薬剤を使用できない場合

手術は大腸の全摘が基本となります。

以前は人工肛門を設置する手術が行われていましたが、現在では肛門を温存する手術が主流です。

この手術は大腸を取り除いた後、小腸で便を貯める袋を作って肛門につなぐ方法です。この手術方法で患者さんのQOLは飛躍的に向上されています。

【カテゴリ】原因・症状生活