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クローン病の原因・検査について

クローン病(CD)の原因

クローン病が発症する原因として、遺伝的な要因が関与するという説、結核菌類似の細菌や麻疹ウイルスによる感染で発症するという説、食事の中の何らかの成分が腸管粘膜に異常な反応をひきおこしているという説、腸管の微小な血管の血流障害による説などがあげられていますが、いずれもはっきりと証明されたものはありません。

最近の研究ではなんらかの遺伝子の異常を背景にもち、異物を処理する細胞やある種のリンパ球などの免疫を担当する細胞の異常反応が明らかになってきており、外来の抗原(食事の成分、異物、病原体など)の侵入とそれに対する免疫系の反応異常が想定されています。

 

クローン病(CD)は遺伝するの?

クローン病は人種や地域によって発症する頻度が異なり、また家系内発症もみとめられることから、遺伝的因子の関与が考えられていますが、クローン病を引き起こす原因となる特定の遺伝子はみつかっていません。

現在のところ、単一の遺伝子異常だけで発症するのではなく、いくつかの遺伝子異常と環境因子などが複雑に絡み合って発症していると考えられています。

 

クローン病(CD)の症状

腸に炎症が起き、潰瘍ができるため何となく腹部全体が痛みます。
また、腸の狭窄があると、腸の内容物が通過するときに刺しこむような激しい痛みが起こります。

病気の起こり始めでは軽い痛みが一時的に起こる程度ですが、消化管以外の合併症として胆石や尿路結石による腹痛が生じることもあります。

小腸にも潰瘍ができるため、消化・吸収が悪くなり下痢を起こし、ときには血液の混ざった粘血便もみられます。
夜間にも下痢を起こすなら、悪化している可能性があるので注意が必要です。

炎症が起こっているので悪化に伴って微熱が続きますが、膿瘍などの腸管合併症があると高熱があらわれます。

消化・吸収が悪くなっているために栄養障害が起こり、体重が減少します。栄養障害は、栄養素の消化・吸収の低下や下痢、出血、蛋白漏出などによって栄養素が失われることと、発熱、代謝亢進、潰瘍などの組織修復に消費されること、食事をしないことなどによって起こります。

痔や痔瘻を合併する頻度が高いといわれています。座っていることもできないほど痛むこともあります。

 

クローン病(CD)の診断

臨床症状などからクローン病が疑わしいものについては臨床所見を把握して消化管X線造影検査、内視鏡検査、生検、手術症例では切除標本の検査を行い、診断基準の項を参考にして診断する。

 

クローン病(CD)の検査

血液検査

クローン病の診断・症状の推移の把握に必要で、炎症の程度を診る指標としてCRP※、赤血球沈降反応などがあります。

また、全身の栄養状態の指標として総タンパク質、アルブミン、総コレステロールなどがあります。
血液検査では貧血の程度もわかります。

※CRP:炎症や組織細胞の破壊に伴って血清中に増加するタンパク質のこと

検査 正常値 意義
赤沈
赤血球沈降速度
男性:2〜10 mm/h
女性:3〜15 mm/h
炎症が強くなると数値が上昇します。炎症の有無を知る最も一般的な検査です。
CRP
C反応性淡白
〜0.2 mg/dl 炎症が強くなると数値が上昇します。炎症の有無を知る最も一般的な検査です。
αグロブリン 男6.3〜10.6% 血清淡白分画の一つ。クローン病の炎症把握に用いられます。
血小板数
(PLT)
16.3万〜
42.8万/μL
血小板数増加の判定により病勢の評価に有用
血清淡白 6.5〜8.2g/dl
(BML)
栄養状態の指標にも用いられます。
アルブミン 3.7〜5.5 g/dl
(BCG法)
栄養状態を判定するために検査を行うことがあります。
総コレストロール 130〜
220 mg/dl
栄養状態を判定するために検査を行うことがあります。

 

便検査

潰瘍などからの目に見えない程度の出血を調べます。また、細菌培養を行って細菌性腸炎かどうかを見分けます。

 

大腸造影検査

大腸における病変の範囲や大腸の状態を正確に把握するための検査です。肛門からカテーテルを挿入し、造影剤と空気を注入した後にX線写真を撮ります。

 

注腸X線検査

注腸X線検査

肛門からバリウムと空気を大腸に入れて、大腸にクローン病が発症していないかどうかを調べます。

 

小腸X線検査

バリウムを口から飲むか、十二指腸まで入れたチューブからバリウムを小腸に入れ、小腸にクローン病を発症していないかどうかを調べます。

 

内視鏡検査

内視鏡検査

肛門から小型カメラを挿入し、大腸でクローン病が発生することの多い回盲部を調べます。
病変を観察するとともに粘膜を少し採取して、顕微鏡で観察することでクローン病に特徴的な所見を見つけ出すことができます。

 

 

ダブルバルーン内視鏡検査

ダブルバルーン内視鏡検査

口、または肛門から小型カメラを入れて到達部に印を付け、後日反対側から小型カメラを挿入し、前回付けた印まで到達すれば、すべての消化管を調べたことになります。

大腸内視鏡検査と同様に組織学的検査が行えます。なおこの検査には数日から1週間の入院が必要となります。